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FAQ(よくある質問)

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Q.個人再生で債務者が死亡したら?

個人再生と死亡、相続についての話です。

個人再生は裁判所に申立てをして借金を減らしてもらう制度です。
自己破産も同じように裁判所に申立をしますが、借金をゼロにしてもらう手続きです。

どちらも手続き中に、申立てをした債務者が死亡してしまうことがあります。
その場合どうなるのでしょうか。

この記事は、

  • 個人再生中に死亡した債務者の相続人
  • 自己破産や個人再生をしているが余命が心配な人

に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.9.21

 

借金で本人が死亡した場合

借金をしていた本人が死亡した場合、相続人としては、相続放棄をして、借金を相続しないで済むようにするのが通常です。

そこで、本人が、自己破産や個人再生の手続を進めていた場合には、どうすべきかを検討しましょう。

まず、本人が、このような手続をしていたことがわかった場合には、弁護士などの専門家に依頼しているかどうかを確認しましょう。依頼しているのであれば、専門家に相続が発生した旨を伝え、状況確認をしましょう。

弁護士に依頼している場合には、郵便物があったり、弁護士事務所への費用の送金記録があったりするでしょう。そこから問い合わせることになります。

専門家に依頼していない場合で、裁判所の決定などがある場合には、裁判所に問い合わせましょう。

どの段階まで進んでいるかによって、対応が変わるからです。

 

自己破産手続と破産者の死亡

比較すると整理しやすいので、まず、自己破産手続きの場合を説明します。

自己破産は、借金をゼロにする手続きです。

この流れとしては、裁判所に申し立てをして、破産の決定をもらって、最終的に免責許可により借金がなくなるという流れです。

 

免責許可が確定すれば、借金はなくなっています。

その後に死亡しても相続には問題ありません。借金はありません。相続人が借金を負担するということもないのです。ここまで行っていれば相続放棄もしなくて良いのです。

 

裁判所への申立前であれば、そもそも破産申立もしていないので、そのタイミングで死亡すると、借金はそのまま残ります。

 

では、裁判所への申立後、破産決定前に死亡した場合は、どうなるかというと、相続人は、この破産手続きを続行することができます。

続行された場合には、申立人名義の残っている財産が破産の対象になります。相続財産の破産手続になります。

この続行をしない場合には、通常の相続になります。

破産手続きは終了となり、相続をするので、単純承認として借金の相続を認めるのか、相続放棄や限定承認をするかの選択になります。

裁判所への申立、破産の決定が出た後に死亡してしまった場合には、相続財産について破産手続きは当然続行されます。残っている相続財産と、債務の手続きを進めていくことになります。

 

自己破産と死亡の問題では、このように相続財産を概念として考え、それ自体を破産させる手続があるのです。

 

個人再生手続と申立人の死亡

これに対して、個人再生の場合はどうでしょうか。

個人再生は、本人に収入があることを前提に、そこから一部を返済することで、残額をカットしてもらう手続です。

相続財産は、概念的なもので、働いたりできず、定期的な収入はありません。

そのため、相続財産が再生することはありえません

 

個人再生の流れとしては、裁判所に申立をして、再生手続開始決定をもらい、再生計画案を提出、認可確定、支払が始まる、3~5年で支払が終了となります。

支払が終了した後に死亡の場合には、相続に関しては特に問題はないです。
債務もなくなっているからです。

裁判所への申立前に死亡した場合には、自己破産の場合と同じく通常の相続となります。相続放棄をするのか等を検討することになります。

裁判所への申立後、再生計画案が認可確定する前に亡くなった場合には、自己破産の続行のような手続はなく、再生手続きは終了します。

つまり、裁判所での手続中での死亡の場合、再生手続が終了し、相続が発生するので、相続放棄が必要になります。

 

再生計画認可確定後の死亡は?

では、認可確定し、支払中に死亡してしまった場合、どうなるかというと、相続人は、計画案に基づいて、そのまま分割払いを継続することも考えられます。

減額されても借金支払は厳しいと考える場合には、相続放棄をすることになります。

 

相続放棄された場合、債権者としては支払いがなくなるので、再生手続の取消しができないかを検討します。

しかし、個人再生の場合、債務の相続は発生するものの、再生債務者の地位は相続人には引き継がれないとされ、直接の取消はできないのではないかとされています。

再生債務者の破産手続きによる民事再生法190条の類推適用により債権が原状に回復するとすべきであるとの文献もあります。

実務上、個人再生後に短期間で財産を作られ、かつ、相続人不存在の事案が少なく、相続財産管理人を選任して、再生の取消により債権額を回復させるような事案が出てきていないものと思われます。

 

債権者側の視点とは逆に、認可確定後の死亡により相続した側からしても、再生債務者の地位は引き継がないため、ハードシップ免責や再生計画の変更の申立はできないとされています。

再生債務者の地位による手続はできず、相続をして計画案どおりに支払うか、相続放棄などの手続きをするかという選択になります。

 

相続を含めた個人再生については、事例豊富なジン法律事務所弁護士法人に、ぜひご相談ください。

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