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FAQ(よくある質問)

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Q.住宅ローンだけで個人再生が使える?

住宅ローンだけで個人再生が使えるかどうかという話です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.29

個人再生手続きは裁判所を使って借金を減らす制度です。

原則として、すべての借金を公平に扱う制度です。
一部の借金だけは減額しないで払う、ということはできず、債務が残っているならすべて裁判所に申告しなければなりません。

その例外が住宅ローンです。

自己破産とは違い、自宅だけは維持することができるというのが個人再生の制度になります。

住宅ローン条項を使うことで、住宅だけを特別扱いできます。

 

一般的には他の借金を減額する目的

一般的には、住宅ローン以外に、消費者金融やクレジットカードなどで借金があり、これらを圧縮して減らす目的で使われます。

住宅ローンが3000万円、他の借金が1000万円という場合、1000万円の借金を減額する、たとえば200万円まで減額して分割して払っていくという目的で使われるのです。


この場合、住宅ローン条項を使ったときには、住宅ローン自体は減額されません。

3000万円の方は減額されません。


多くの場合には、住宅ローンはそのまま契約通り払います。住宅ローンが遅れている場合には、それを戻したり、支払期限を延期したり、再生手続による支払期間中に一部猶予を受けるようなこともあります。

 

住宅ローンだけで個人再生をする意味がある?

このような住宅ローン条項ですが、住宅ローン以外に借金がなくても使うことがありえます。

住宅ローンは減額されないので、住宅ローンしかないのに個人再生をすることに、何の意味があるのかという点が問題になります。

このような利用方法で一番多いのは、住宅ローンの部分について巻き戻しが必要なケースです。

住宅ローンの支払いが遅れてしまって、保証会社に代位弁済されてしまった場合です。

銀行等の住宅ローン債権者は、1,2回の延滞であれば待ってくれることもあるでしょう。

しかし、保証会社に代位弁済されてしまうほど遅れてしまうと、交渉だけでは元に戻してくれません。

法的には、期限の利益を喪失していて、一括請求ができる状態になってしまっているからです。


これを救済する制度として、個人再生では、代位弁済から6ヶ月以内に裁判所に個人再生を申し立てることで、この代位弁済を元に戻す、巻き戻しと呼ばれる方法があります。
保証会社に移った住宅ローン債権を銀行等に戻す手続です。

この巻き戻しを目的として使うこともあります。

3000万円の住宅ローンだけしか借金はないのだけど、これが代位弁済されてしまった、何とか元に戻したいという目的だけで使うケースです。

住宅ローン条項という、本来であれば付随的な内容を主たる目的として使うケースです。

 

ペアローンの場合の個人再生申立は?

また、ペアローンでの申立の場合も、住宅ローンしかないことがあります。

夫婦や親子で住宅ローンを組む際に、連帯債務ではなく、それぞれが自分のローンを組んで、別々に抵当権を設定するパターンです。

この場合、一人が個人再生を使おうとすると、自分のローンの抵当権以外に、他の人のローンの抵当権がついていることになります。

個人再生で住宅ローン条項を使うには、自分の住宅ローン債権以外に抵当権が設定されていないことが必要です。そのような抵当権が設定されていると、住宅ローン条項を認めても、自宅を失う可能性が高いからです。

民事再生法の要件を満たさないので、本来、このようなペアローンだと個人再生は使えないことになります。

ただ、このような場合でも、二人で個人再生を申し立てるのであれば、一緒の取り扱いになるので、個人再生を認めて良いという運用がされています。


この場合、もう一人には、住宅ローン以外には、何の借金もないこともあります。そのような場合でも、個人再生の申立は認められることになります。

ただし、ペアローンについては、その後、議論が進み、条件によっては、単独での申立も認められることが増えています。

裁判所によっては単独申立が認められないところもあるかと思いますので、そのような場合には、住宅ローンだけでの個人再生申立ということもありうるでしょう。

 

住宅ローンだけで個人再生は法的にはできる?

このようなケースで、住宅ローンしかないのに個人再生を使うということは想定されています。
法律上は、他に借金があること自体は要件とされていません。

住宅ローンだけの申立は禁止されていないので、基本的には認められることになります。

ただ、オーバーローンでなく、アンダーローンの場合、住宅ローンより住宅価値の方が高い場合には、支払不能になるおそれという別の要件を満たすのかどうか、議論があります。

巻き戻し事案のような場合には、住宅ローンが遅れているわけで、競売等になった場合の強制執行費用の負担等を主張氏、支払不能のおそれを主張していくことになるかと思います。


住宅ローンだけでの個人再生申立の場合には、この点は意識しておく必要はあるでしょう。

文責:弁護士石井琢磨(神奈川県弁護士会所属)

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