平塚市で離婚後に個人再生で解決した事例を解説。神奈川県厚木市の弁護士事務所

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ケース紹介

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離婚後の個人再生ケース紹介

 

ケース紹介134  Hさんの事例 

平塚市在住 ( 会社員 / 50代 / 男性 )

借入の理由:教育費 債務総額975万円


離婚後の個人再生の相談でした。

平塚市にお住まいの50代、会社員男性の相談でした。

アコム、SMBCなど5社に1250万円の債務があり支払えないとのこと。

離婚後の相談ということで、離婚と個人再生に関する問題点も合わせて解説しておきます。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2024.4.11

 

離婚財産分与と個人再生

離婚が成立すると、財産分与がされることもあります。

しかし、この分与が不均等である場合、個人再生手続きに影響が出ることもあります。

例えば、片方の配偶者が過大な財産を受け取ることになった場合、その財産は「清算価値」として再生手続きに組み込まれ、結果として返済額の増加につながる可能性があります。

清算価値は、個人再生手続きにおける財産の総額を示し、これが高額になればなるほど、返済に必要な金額も増大します。これは、離婚による財産分与が、借金返済の負担を重くするという皮肉な結果を招く可能性があるということです。

婚姻期間中に多くの債務を負っていたのに、残されたわずかな財産を配偶者に分与しているようなケースでは、この財産分与が問題となります。

これは個人再生に限らず、自己破産などの清算型手続きでも同じです。

 

離婚後の転居と住宅ローン条項の綱渡り

また、離婚後の転居は、住宅ローン条項の利用可能性に影響を及ぼします。

住宅ローン条項は、住宅ローンを支払い自宅を維持しつつ住宅ローン以外の債務を減額することで、借金返済の負担を軽減するための制度です。

しかし、離婚に伴い住宅からの転居が必要になった場合、「その家に住んでいること」の要件を満たさなくなるため、この特例を利用できなくなる可能性があります。

個人再生では自宅に居住していなければ、住宅ローン条項は使えないのです。

離婚では、住宅ローンが残っている自宅をどうするのかよく問題になりますが、多重債務を負っていて個人再生などを考えている場合には、自宅への居住をどうするのかと検討しておく必要があるでしょう。

 

慰謝料、養育費と個人再生

個人再生手続きにおける慰謝料と養育費の扱いも、離婚によって複雑なものとなります。

慰謝料を受け取る権利がある場合、その権利は、清算価値に含まれることがあります。財産として加算され、返済額が増える可能性があります。

また、養育費は、子どもの監護や教育に必要な費用として、再生手続きの影響を受けない「非減免債権」とされています。これは、個人再生手続きにおいても子どもの福祉が最優先されるべきであるという法の精神を反映しています。

養育費の滞納がある場合、その処理が個人再生手続きでも問題となります。

 

離婚後の個人再生事例

妻と離婚。

協議離婚となり、2人の子がいましたが、長男の親権者は相談者に、長女の親権者は妻となりました。その際に解決金として200万円の支払を求められ、借金をして支払いました。

しかし、その後、長女は妻の元を出て、相談者のところへ。

親権者変更の調停をおこない、親権者となりました。養育費の取り決めはありませんでした。

 

養育費用の借金

結婚時は、妻が家計を管理していたのですが、離婚後、相談者が家計を管理するしかなくなり、食費や子どもにかかる費用が足りないと、カードローンで補うような生活が続きました。

食費も、自分はほとんど外食したり、子どもの食事も宅配させるなどして費用がかさんでいました。

教育費として、長男の習い事の費用、高校の費用、長女の習い事費用や塾代、高校の学費、専門学校の入学金などがかかり、借金で補いました。

杜撰な家計だったため、教育費の計画的な準備もなく、借金は増える一方。

 

退職金での返済計画

借金については、増えていく一方ではありましたが、定年した際に退職金で精算したり、子どもが家を出た後なら自宅を売却すれば返せると考え、とにかく、そこまで先送りにしようと考えていました。

先送り

しかし、先送りにするには、借金の利息を払わなければならず、そのために借入をするような生活になってしまいました。

査定をしてみると、自宅については、売却しても住宅ローンも完済できないオーバーローン状態であることがわかり、定年までまだ10年近くもある状態で、これ以上の借入ができなくなり、もう先送りができなくなってしまったため個人再生手続の相談に来たという経緯でした。

 

離婚後の個人再生ではありましたが、借金の多くが離婚後の生活で発生した教育費等ということで、離婚に関する対応は特に問題とされずに個人再生手続きが進められました。

 

 

再生計画案による減額

5社1250万円の借金を250万円まで減らす再生計画を作成し、認可されました。

50代で、運送会社に長く勤務していたこともあり、退職金見込額がかなり高くなっていました。約627万という数字が出てきましたが、退職は現実化していないため、神奈川県での運用通り、清算価値の算定では、8分の1の金額のみ加算されました。

大きな資産もなかったため、清算価値に影響はなく、最低返済額の5分の1である250万円まで減額できています。

約1000万円の減額となっています。

債権者への返済も、送金代行を利用。無事に完済できています。

 

個人再生減額図

 

離婚後の個人再生の依頼も多くありますので、借金でお困りの方はぜひご相談ください。

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